【九州・天神編】
「既婚者合コン」潜入レポート

Vol.7　お1人様参加編

今回私が参加したのは天神にて開催された「お1人様参加編」のイベント。最近話題の「既婚者合コン」。その名の通り結婚してパートナーを持つ男女が集まる出会いの場である。美女や高収入エリートが集まるという謳い文句を掲げているが、本当にそんな人が参加しているのか。また、「既婚者」同士が出会う目的は何なのか。実態を暴くべく潜入してきた。

「既婚者」合コンに潜入した、本記事の筆者のプロフィール

50歳。男性。アパレルバイヤー。切れ長な目が特徴的なため韓国人ぽいっと言われるが、純日本人。若い頃は、痩せればキム・テヒの夫のRainに似ているのにと言われていた。妻、カナダに留学中の娘、高3の息子の4人家族。趣味は飲み屋巡りで、いずれは自分の店を開きたいと思っている。

今回は2022年11月某日に天神で行われたお人ら様参加を集った既婚者合コン。
息子の受験生に邪魔にならないよう家で過ごすのは何だか息苦しく、ちょっぴり息抜きをするため昔東京で参加していた既婚者合コンに参加。福岡では初めての参加となる。良からぬ噂を立てられる心配から、こっそり一人で行くことにした。

潜入したイベント・会場情報

地下階段を進んだ先に現れる秘密の部屋

開催場所は私もよく訪れている飲み屋街の中にあったが、私の行ったことのない奥まった場所にあるお店であった。19時30分に開催、終了が22時頃と事前に教えてもらい用意周到な私は2件目のお店をイベント前に下調べした。

見知った道だからと考え事をしながら会場に向かっていたのだが思いのほか見つからない。本当にここで開催しているのか不安になり、イベントスタッフに電話するとどうやら裏道に来てしまっていたようだ。2件目までのことをシュミレーションし過ぎて道が混同してしまったのだ。スタッフの助けもあり、無事表に着き会場のある地下に下りた。

小汚い階段を進み中に入ると穴倉のようなオシャレな小部屋が8つ。その小部屋は所々小窓があり、そこには小さなキャンドルが灯されていた。建物の外観からは想像もしなかったギャップだ。女性受けを狙ってお店を選んでいるのだろうが、オシャレなお店もたまには悪くないだろう。

参加者は男女8名ずつの合計16名。新型コロナ感染拡大防止のため、人数制限を設け8部屋のうち4部屋は使わないようにしたらしい。参加条件がお1人様参加歓迎とあったためか、多くの人が1人で参加。1組だけ、以前参加した時に友達になったから今回一緒に参加したと言っている女性もいた。

会話については、女性固定・男性移動式。スタッフに案内される通りに移動し、一回りする形となっていた。移動する都度一度空いている席に案内され、消毒をしてから席に案内してくれるなど感染対策をしてくれていて多少安心感はあったように思う。

この日は30℃越えの真夏日、ビールがこの上無く美味しく感じた。そして、それは参加していた皆共通で最初の10分で1杯目を飲み干していた。あの最高の1口目を思い出しながら、印象深い面々をピックアップして紹介する。

1人目（女性）夫との関係に悩む宝塚ファンA（47歳）

女性ながら身長170センチという高身長のA。弁護士事務所でアルバイトをしながら、高校生の頃から好きな宝塚を応援している。普段は娘と一緒に観劇するようだが、受験を来年に控えているため『私だけ見るのも悪いから、少しの間休憩しているの。』と言っていた。私も受験期の息子が理由でキコンパに参加した為、気が合うのに時間はかからなかった。Aは、今まで夫婦関係は良好だったが1年前に変わってしまったと教えてくれた。原因は、飼っていた犬が亡くなったこと。一番可愛がっていた旦那は、愛犬ロスで心を閉ざし無気力になってしまったらしい。コミュニケーションも減り、このままでは良くないと、まずは自分が前を向こうとエネルギー補給に赴いたようだ。私は、自身の経験を基に時間をかけて忘れるか、新たな家族を迎え入れ慰めることを提案してみたがどうもAは踏ん切りがつかないようであった。

2人目（男性）家族想いの大工B（51歳）

一緒に席移動を共にしていた大工のB。一番話す機会が多かったため、最も仲良くなったように思う。ガテン系な仕事だけに体格が良く、小麦色に焼けた肌は健康そのもの。家系で代々建設業に携わる仕事をしているようで、幼少期からその背中を見ていたBも気付いたら大工を目指し職人に。『今住んでいる家も、親父が設計して祖父と俺で作ったんだ。』と誇らしげに話していた。写真を拝見したが木を基調とした趣のあり、自慢したくなるもの頷ける素敵な家であった。今は両親と妻、娘、息子の6人暮らしだが、いずれ妻と2人になったら海の近くに小さな家を建てたいそうだ。私は店をBは家をお互い夢があり、話していると希望に満ちた第二の人生が楽しみになってきた。ちなみにBは、お盆で奥さんが子ども2人を連れ1週間実家に帰っているためあまりにも暇になり参加したようだ。年老いた両親だけにして1週間も離れるのは心配だという優しい男なのだ。

3人目（女性）孫が4人もいる看護師C（45歳）

45歳にして4人も孫がいるCは、なんと娘が予約して参加を余儀なくされたようだ。にわかに信じがたい話だが、1人娘が巣立った時点で夫婦関係は破綻、気を利かせた娘が『いつも子守をありがとう。たまには息抜きして。』と便宜を図ったというわけだ。夫婦関係は終わっているものの、離婚していない以上婚活することも出会いの場に行くこともグレーだと思った娘さんなりの配慮なのだろう。本人も当初は肩身の狭い気持ちで遠慮がちに飲んでいたが、徐々にお酒が入り楽しんでいた。Cにふと離婚しない理由を尋ねると意外な答えが返ってきた。『夫が浮気しててね。離婚してその人と結婚されたら、可愛い孫たちに何も残せないじゃない。』と孫のためであると淡々と語った。自分の気持ちではなく、母としての愛を貫くCはとてもカッコよく見えたのであった。

二次会もグルメで楽しむ

二次会は、私が下見した店にBとCの3人で行った。鶏皮の美味しい店で、2件目だというのに皆で20本も食べ、店を案内してくれたお礼だとBがご馳走までしてくれた。あの豪華な家を見せられ後だからか、躊躇いもなく私はお言葉に甘えた。あの同性に対してもスマートな感じに好感が持て、今でも彼とは連絡を取り合っている。他にもA,C含め女性4名と連絡先を交換し、たまにやり取りはしているがBを越える者はいない。また時期を見て、3.4人位で飲みに行こうと今は新規開拓を楽しんでいる。

まとめ

地域・テーマで全く異なる楽しさ

以前、東京で参加したと言ったが今回のイベントは全く違った。棘がないというか、穏やかな人ばかりで終始リラックスして楽しむことができた。1人で参加というのも大きいだろう。大きな壁を建てていては、話が進まないが、今回は皆が楽しみたいと思う気持ちが顕著に表れていた会であったと思う。まだ参加したことのない人は、イベント自体に不安があり1人で参加することが躊躇われると思うが、本当に楽しみたいと思うのであればこの一人参加を集ったイベントがいいと言えるだろう。